Wispr Flowは安全?クラウドに送られるものと、その制限方法
要点
Wispr Flowはクラウドサービスなので、使うと声がそのサーバに送られます。プライバシーページには、文字起こしは常にクラウドで行われるとあります。Context Awarenessがオンなら、使っているアプリのテキストも送られます。データは暗号化され、パスワード欄は読み取られず、SOC 2 Type II、ISO 27001、HIPAAの証明を取得しているとしています。共有される内容は、「Context awareness」とモデルのトレーニングの2つの設定で制限できます。それで十分安全かどうかは、何を音声入力するかによります。Mac用のローカル音声入力アプリであるFlitはMac上で文字起こしするので、話した内容はどこにも送られません。
Wispr Flowが共有する内容を制限する方法
- Wispr Flowを開き、「Settings → Data and Privacy」を開きます。
- Context awarenessをオフにします。これで、音声入力しているアプリやテキスト欄のテキストが送られなくなります。
- モデルのトレーニングのオプション(「Improve the model for everyone」)をオフにします。Wispr Flowによると、これは別のスイッチで、オフにしても「Context awareness」はオフになりません。
- クライアント名、健康情報、認証情報など、見知らぬ人へのメールに書かないような内容は、そもそもクラウドのツールに音声入力しないでください。
どちらの設定も、文字起こしが行われる場所は変えません。音声入力のたびに、音声はWispr Flowのサーバに送られます。
大事なのは「安全かどうか」ではなく、「何がMacから出て、誰が読めるのか」です。表は、Wispr Flow自身のプライバシーページとヘルプページだけをもとに、それに答えています。
Wispr Flowがデータについて述べていること
| 質問 | Wispr Flowの説明 | 出典 |
|---|---|---|
| 声はどこで文字起こしされる? | 「文字起こしは常にクラウドで行われる」 | プライバシーページ |
| ほかに何が送られる? | Context Awarenessがオンの場合:アプリの情報、カーソルの前後のテキスト、画面上のテキスト、コーディングアプリの変数名とファイル名、会話の履歴 | ヘルプ:Context Awareness |
| 読み取られないものは? | パスワード欄。銀行や金融のアプリでは、コンテキストの読み取りを行わない | ヘルプ:Context Awareness |
| データはトレーニングに使われる? | 選択できる。「Settings → Data and Privacy」で設定 | プライバシーページ |
| ほかに誰が処理する? | データを保持しない契約を結んだ外部のAIプロバイダ。一部の機能は例外。社名は公開されていない | Data controls |
| 保存期間は? | 外部のモデルと共有したデータは「通常30日以内に削除」 | プライバシーポリシー(2026年8月19日) |
| どの認証? | SOC 2 Type II、ISO 27001、HIPAA | プライバシーページ |
Context Awarenessが読み取るもの
Context Awarenessは、スレッドでの表記どおりに名前を書くための機能です。そのために、カーソルの周りを読み取ります。Wispr Flowのヘルプページには、音声入力と一緒に送られうるものとして、アプリの情報、選択範囲の前・中・後のテキストボックスの内容、画面上のテキスト、コーディングアプリの変数名とファイル名、会話の履歴が挙げられています。
同じページには、パスワード欄は読み取らず、銀行や金融のアプリでは読み取りを行わないと書かれています。プライバシーポリシーでは、この機能がオンの場合、アプリは使用中のアプリから「画面上のテキストなど」限られた内容を収集することがある、と説明しています。
スイッチは「Settings → Data and Privacy → Context awareness」にあります。
認証と、その対象
SOC 2とISO 27001は、企業が保有するデータをどう扱っているかの監査です。持つ価値はありますが、多くの人が気にしている問いとは別の問いに答えるものです。認証は、データが届いたあとに慎重に扱われることを示します。データが届くという事実は変わりません。
仕事に守秘義務がある場合、判断する立場の人に確認すべき問いは単純です。この音声と、この画面上のテキストを第三者が処理してもよいか、です。弁護士向けのガイドでは、この問いを順を追って考えます。
どの音声入力アプリでも自分で確かめる方法
プライバシーページを鵜呑みにする必要はありません。私たちのページも同じです。Wi-Fiをオフにして音声入力してみてください。Mac上で文字起こしするアプリはそのまま動き、サーバが必要なアプリは動きません。さらに詳しく見るなら、Little Snitchなどのネットワークモニタで、話している間にアプリが行うすべての接続を確認できます。
確かめ方の全体は、プライベートな音声入力アプリのおすすめで3つのレベルに分けて紹介しています。
Flitは話した内容を何も送りません
Flitは録音、文字起こし、整形をMac上で行います。音声やテキストを受け取るサーバがないので、サーバがそれをどう扱うかについてのポリシーを読む必要もありません。
- 声もテキストもMacから出ることはありません。Wi-Fiをオフにして確かめられます。
- アカウントも、テレメトリも、アナリティクスもありません。
- コンテキストのための画面の読み取りは、オンにするまでオフのままです。読み取った内容は、1回の音声入力の間だけMacのメモリに保持されます。
- 履歴はローカルのファイルで、上限の設定、消去、オフにすることができます。
- Flitは7日間、すべての機能を無料で使えます。その後は$19の買い切りで、アカウントもサブスクリプションも不要です。
知っておきたいこと
- Flitがネットワークに接続するのは、自分で始めたモデルのダウンロード、ライセンス認証、許可した場合のアップデート確認の3つです。どれも音声入力した内容は含みません。それぞれプライバシーページに記載しています。
- FlitはApple silicon搭載、macOS 14以降のMacで動作します。現在、Windows版、iPhone版、Android版はありません。Windows版は開発中です。
- 音声モデルは約0.5〜2.8GBのダウンロードで、最初に一度選ぶだけです。その後、Flitはネット接続を必要としません。
- FlitはSOC 2、ISO 27001、HIPAAの認証を取得していません。話した内容はサーバに届かないため、認証の対象となるサーバがありません。組織で認証が必須とされている場合、Flitはその認証を持っていません。
よくある質問
Wispr Flowは話した内容をすべて録音していますか?
録音するのは音声入力している間で、その音声は文字起こしのためにサーバに送られます。プライバシーページには、文字起こしは常にクラウドで行われるとあります。
Wispr Flowは画面を読み取りますか?
Context Awarenessがオンの場合、音声入力しているアプリのテキスト(カーソル周辺のテキストや画面上のテキストを含む)を読み取ります。パスワード欄は読み取らないとしています。「Settings → Data and Privacy」でオフにできます。
Wispr FlowはHIPAAに準拠していますか?
Wispr Flowは、HIPAAに対応しており、GrowthプランではHIPAAに沿った運用を強制できるとしています。それが自分の義務を満たすかどうかはコンプライアンス担当者が判断することで、必要なのはウェブページではなく署名済みの契約です。
モデルのトレーニングをオフにすれば、Wispr Flowはプライベートになりますか?
音声や修正内容がモデルのトレーニングに使われなくなります。ただし、文字起こしのために音声が送られることは止まらず、別のスイッチであるContext Awarenessもオフになりません。
すべてをMac上に保つ音声入力アプリはありますか?
はい。FlitはMac用のローカル音声入力アプリです。音声モデルと整形モデルはMac上で動き、話した内容はどこにも送られません。Flitは7日間、すべての機能を無料で使えます。その後は$19の買い切りで、アカウントもサブスクリプションも不要です。